■労務監査のタイミングは2回が主流

労務監査人と労務コンサルは別の社労士に依頼するのが無難です。同じだと、自己監査と評価される恐れがあります。

直前前期以前 直前前期以前 直前前期 直前期 申請期 上場
企業様 ショートレビュー準備(事業計画・会計の整理等) 管理体制整備、取締役会、株主総会等 管理体制整備、取締役会、株主総会等 管理体制の完全運用等 上場申請
監査法人 ショートレビュー 会計監査、内部統制監査 会計監査、内部統制監査 会計監査、内部統制監査
主幹事証券会社 助言・指導 助言・指導 審査
証券取引所 審査
労務監査人 労務監査① 労務監査②
労務コンサル コンサル コンサル コンサル コンサル

■上場申請数と非承認数

日本取引所グループの年次報告書に上場申請数等が記載されています。

2021年度の上場審査数 192銘柄、新規上場160銘柄

2020年度の上場審査数 非公表、新規上場106銘柄

2019年度の上場審査数 非公表、新規上場102銘柄

2018年度の上場審査数 非公表、新規上場119銘柄、非承認46銘柄

年次報告書 | 日本取引所グループ

2018年度の非承認銘柄についてのコメント

「株券に係る新規上場等銘柄数は2018年度においても前年度と同様の水準となった一方、申請後に承認に至らなかった銘柄数は46銘柄となり、前年度から大幅に増加しました。承認に至らなかった銘柄の中には、各種法令への遵守体制や子会社管理等の業務上必要とされる管理体制、オーナー経営者に対する牽制体制の構築状況が不十分であるなど、内部管理体制等に係る上場審査基準を満たさない事案が多く認められた」

JPX 自主規制法人の年次報告 2019(13頁)

上記コメントから考えられること(労務監査にかかわることについて)

「労働法制上の違反性は認められない」と労務監査で評価されても、上場審査で持続的な成長、従業員との適切な協働の観点からも課題があると評価される企業の上場を承認しないと考えられます。

「持続的成長」「従業員との適切な協働」
「労働法制上の違反性は認められない」 ← これだけでは承認されない

改訂コーポレートガバナンス・コードの公表 | 日本取引所グループ

コーポレートガバナンスコード(2021年6月版)

基本原則2「株主以外のステークホルダーとの適切な協働」

上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。 取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきである。

■労務の状況をどのように説明すればよいか。

グロース市場新規上場時に求められる「新規上場申請者に係る各種説明資料の記載項目について」にヒントがある。